後藤和晃さん・「草の根の日韓交流15年」

(「ネットワークNHK」8月号から)

ob2 「カネにもならないことに打ち込む」。世間でよく聞くことですが、それをやり続ける人はそう多くはないようです。
 1998年に「日韓市民ネットワーク・なごや」を立ち上げてから15年余り。後藤さんはこの会の統括幹事兼事務局長として全く無報酬で今日まで着実に日韓市民の草の根交流を実践してきました。会員は名古屋を中心に80名ほどで、さまざまな活動をしています。
 主な活動を紹介しますと、年4回の会報発行。日韓交流史講座を開ob1き、そのテーマに合わせて韓国各地の遺跡や王陵などを訪れる旅を企画。これまでに、謎の国伽耶、栄光の百済、黄金の新羅などをテーマに韓国を旅して、そのつど後藤さんの幅広い人脈の中から日韓の優れた研究者が同行しています。また、毎年のように韓国の学生訪問団を受け入れ、奈良の法隆寺や東大寺などに案内し、古代の日本と朝鮮との深いかかわりを実感してもらったあと、名古屋の会員の家でホームステイや交流パーティーを開くなどの活動に取り組んでいます。これらの費用の、一部は会員のカンパを充てるとのこと。また名古屋大学などに在籍する留学生といっしょのハイキングや忘年会などでも交流しています。
 後藤さんの韓国への関心のきっかけは、現役の頃、仕事を通して朝鮮ob3人作家の金達寿(キムダルス)さんと出会ったことが大きかったと言います。それ以後ハングルを勉強するなど、ずっとかかわりを持ち続け、ついに15年前に会を立ち上げたのです。「言葉や文化を学び、そして日韓市民が交流を通して相互理解を深めたい」。後藤さんの強い思いです。
 日韓の間がさまざまな問題でギクシャクしている今こそ、この会の存在が重みを増してきます。
 後藤さんは住んでいる愛知県江南市でも、地域の高齢者の集まりのリーダーです。廃寺同然だった地域のお寺を40年ぶりに寺として復活することに尽力。また、使われずにいた農地を公園グランドにするため募金活動をし、子供や老人たちが集う遊び場として整備を実現するなど、さまざまな活動をしています。奉仕の精神は昔からこの地域に伝統として残っているようだと、後藤さんは言います。
 「日韓市民ネットワーク・なごや」での無欲の活動は、どうもこの辺に原点があるようです。
 韓国を中心にたびたびの海外旅行や日本国内を東奔西走、そして地元での活動と、忙しい毎日を後ろでしっかりと支えているのが妻の民子さん。「あの人がいなかったら今の私はありません」と語る後藤さん。頑張れ!
(文 中部旧友会 田口 良浩

昭和15(1940)年生まれ。昭和37年入局。小樽に配属の後、室蘭、東京、名古屋、金沢、奈良など、報道部門を中心に活躍。平成12年2月退職。

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