小野良男さん「発明の楽しさを子どもたちに伝えたい!」

(「ネットワークNHK」6月号から)

ono 札幌市内の小学校の理科室は雪まつり期間中とあって、底冷えのする寒さだった。朝9時半、小野良男さん(73歳)の元気な声が、教室に響く。「おはようございます。小野のおじいちゃんです。」優しく語りかける目線の先には、小学1年生から中学1年生までの男女10人が瞳をキラキラ輝かせている。札幌西少年少女発明クラブの月1回の例会。小野さんが講師を引き受けて5年になる。
このクラブで発明・工夫のすばらしさを子どもたちに教えている小野さんは、在職中からアイデアマンとして職場で一目置かれる存在だった。退職後は、趣味で油絵を始めたが、困ったのは絵筆の置き場所。何とかならないかと2年余りの試行錯誤の末、キャンパスの木枠に装着できる絵筆立てを作ったところ、製品化され100個も売れたという。そのとがきっかけとなり、画面に触れないで直線が引ける定規なども発明するようになった。
 この日のテーマは「距離と高さを測る道具作り」。まず全員に工作用紙を配り、x鉛筆と定規で設計図を書き写す。線の引き方から丁寧に教える。次に正確に紙を切る。はさみの使い方でさえ手取り足取り教えなければならない子どもが増えているそうだ。そして、紙に丸い穴をあけ、穴あけポンチの頭を金づちでたたく。今度は、金づちの扱い方で大騒ぎだ。でも、みんな楽しそう。組み立てる。距離を測る。理科室の床に1m間隔で5mまで印を付け、それを紙の測高計で測っていく。作り始めて2時間、このころにはようやく暖房が効いて、部屋も暖かくなってきた。小学1年生の子まで一生懸命やっている。ついに完成!高さもy測れるそれぞれの個性あふれる測高計だ。
 この発明クラブのお手伝いを始めたのは5年前、当初は〝ボケ防止?のつもりだったが、今では次回に何を教えるか、テーマを考えるのが楽しくて仕方がないという。牛乳パックに太陽の光を集めてお湯を沸かしたり、遠心力を利用して脱水機を作ったり、理科室を飛び出して雪の重さを量ったりしてきた。小野さんは子どもたちに「物事に興味と疑問を持ち続け、どうしてそうなるのか理屈を知ってもらいたい」と熱く語る。充実したうらやましい人生だと強く感じた。
              北海道旧友会(文・安藤公久 写真撮影・浪本元二三)


小野 良男 (おのよしお)さん
昭和16年生。昭和35年入局。網走ラジオ中継放送所をふり出しに、北海道内の各局で主に送信技術職として勤務。お のよしお平成13年札幌放送局を最後に退職。

小野良男さん「発明の楽しさを子どもたちに伝えたい!」 への1件のフィードバック

  1. 小澤 眞助 のコメント:

    小野良男さんすっかりご無沙汰をしています。お元気でご活躍の報に触れ嬉しい限りです。昭和35年網走放送所で御一緒に勤務した小澤眞助です。小生も昭和34年の入局で最初の勤務が網走放送所でしたので、当時の記憶が山のようによみがえりました。その節は小野さんにはいろいろお世話様になり、多くの勉強をさせて頂きありがとう御座いました。さて、私事ですがお蔭様で健康に恵まれ傘寿を迎え(株)千代田ビデオに2日/週、料理教室に2日/月、ゴルフに2日/月など楽しんでいます。

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