橋本 隆明さん「野球への情熱は今も青春!」

(「ネットワークNHK」4月号から)

p1    昨今、スポーツ界を中心に「レジェ ンド (伝説) 」が流行っている。 スキージャンプの葛西選手、なでしこジャパンの澤選手しかりである。 私の身近にも草野球の「レジェ ンド」 がいる。75歳を過ぎた今も還暦野球の監督としてチームを率い、 自らも古稀野球でエースとしてマウンドに立つ橋本隆明さんである。
  〝杉並アメニティーシニアーズ〞東京都還暦軟式野球連盟に加盟する都内最古参のチームでメンバーは50名を超える。 連盟には70チームが名を連ね、「還暦」 ,「P (パイオニア) 」 、「古稀」 の各リーグがあり、 還暦は1〜9部に分かれている。 橋本さんが所属する 〝杉並アメニティシニアーズ〞 は、 昨年1部昇格を果たした。
 リーグ戦の活動は、 月 ・ 水 ・ 土曜の週3日、さらに東日本、関東、 近県の市長杯等の大会、 また、 昨年は福井 一昨年は倉敷で開催された全日本選抜還暦野球大会に東京代表として出場している。 橋本さんは、 監督 ・ 投手として公式戦だけでも年間約50試合、これに練習や練習試合が加わる。まさに1年を通して野球漬の日々である。
 橋本さんが今のチームにスカウトされたき っかけは、平成16年 ・64歳の時、杉並の富士見ヶ丘グランドで7回完投勝利を納めたことだった。 すぐさまチームの主戦投手となり、以来還暦野球にのめり込んで行った。 平成23年、 監督を依頼された時、 チームのメンバーはプロ野球や社会人 ・ 大学野球の経験者、 高校球児など錚々たる球歴の持ち主ばかり。〝全くの素人に監督ができるだろうか〞 と悩んだそうである。前監督から、〝橋本さんならチームの皆が納得する〞 と言葉で引き受けた。 監督としての思いは、〝どんな野球でも勝たなければ喜びは無い、 常に勝ちにこだわる〞 と語る。
 橋本さんの出身は鹿児島県の甑島 (こしきじま) 。 初任地は鹿児島局総務部で、九p2州勤務時代は、 もっぱら管内野球大会などの裏方を務めていたという。 野球は所詮、〝観るもの、 聞くもの〞 だった橋本さんがプレーする野球人生に目覚めるのは、 昭和47年の東京転勤がきっかけである。異動先の人事本部でも野球部に所属、 出場した試合でレフトからの見事なバ ックホーム。 その強肩を見込まれ急遽二番手投手に起用される。 この日を境に毎週日曜日、 川口寮で300〜500球という尋常ではない 「投げ込み」 が始まり、 1年間続いたというから驚きである。
 昭和59年、 厚生部に異動した橋本さんは、 翌年、 念願の全国野球大会を復活させる。 さらに平成7年の大会では、厚生部長として大会実行委員長を務める傍ら、 東京代表の労務 ・ 人事室を率いて出場し、 決勝戦で自ら先発、 見事優勝投手となってしまう。 その後も人事本部野球部をクラブ化した 「ジャンプ球団」 の監督兼投手として毎年50試合を超える活動を続けた。 協会退職後、 共済会等を経て最後の勤めを辞する時の言葉は、 〝これで思う存分野球ができる〞であ った。
 筆者である私も学生時代から野球を続けており、 野球の上手い人は数多く知っているが、 橋本さんほど野球に情熱を燃やす 〝野球好き〞 は見あたらない。 その思いがチームの野球猛者達を納得させているのだと思う。〝中年から始めたら狂ったように夢中になってしまった〞 と納得顔で話す遅咲きのベースボール ・ プレーヤーは、 今も毎朝毎晩シャドウピッチングと素振りを欠かさない。 連盟の憲章に、「人生最後のチャンスと捉え、 悔いなく楽しむために、 常に応分の努力と研鑽を忘れずに」とある。 まさに憲章を地で行く橋本さん。 野球にかける思いは今も青春そのものである。                 (文 ・ 東京旧友会 佐藤正幸)

橋本 隆明さん(はしもと たかあき) 昭和15(1940)年生。昭和33年入局。鹿児島・総務部を皮切りに主に総務・厚生関係業務に従事、総務局厚生部長などを歴任し、平成8年退職。その後、NHK共済会を経て放友クリニック事務長。平成21年退任、現在に至る。
   

橋本 隆明さん「野球への情熱は今も青春!」 への4件のフィードバック

  1. 中部・井ノ口 繁一 のコメント:

    私が厚生部にいた30年ほど前、橋本さんと一緒に野球をしたことがあります。当時は、員数合わせみたいなものでしたが、単身赴任中で、試合が終わるとユニフォームを一生懸命洗った覚えがあります。いまだに橋本さんが現役というのが驚異です。
    一昨日、写真教室の生徒さんを連れて京都へ撮影旅行に行ってきましたが、一日歩き続けただけで、足腰がガタガタです。橋本さんに脱帽。

  2. 井橋光平 のコメント:

    若い時から、橋本隆明さんの野球への打ち込みようは求道僧のようでした。グランドシニアを過ぎた今でも第一線でご活躍と知り、まさに筆舌を超えるものと感激しました。ここまできたら、是非「100歳現役」を達成してください。

    • 橋本隆明 のコメント:

      老骨の道楽ぶりが現役の職員の目にどう映るだろうか…そう考えると、身の縮む思いがしています。刀折れ矢が尽きるまでの無い世界らしいので、もはや退くに退けない有様です。お陰で健康を維持できてはいますが。

  3. 三澤 洸 のコメント:

    橋本さんの素晴らし野球人生を拝読して、深い感銘を受けました。小生も東京都還暦軟式野球連盟に登録のチーム(1982年創立:東京都で2番目)に所属しており、橋本さんのチームと対戦することがあります。皆さん紳士ばかりで礼儀正しく、橋本さんのお人柄であろうと・・・当方、国際放送チームに昭和36年から所属、現在もその流れを汲む「Peckers」でプレーしております。富士見グラウンドが杉並区営となり、なかなか使用する機会がなくなりましたが・・・我が還暦チームは総勢40人、平均年齢72歳。小生が今年82歳で最高齢ですが、あと10年プレーしたいと、週3日の練習で鍛えています。「生涯一草野球人72年目:10歳より」「歌の出前屋:10年目:5月12日に186回目」

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