左 克二さん「脳障害の方に写真撮影を指導」

(「ネットワークNHK」10月号から)

%e7%84%a1%e9%a1%8c 大阪放送会館の13階にデータ情報入力室があります。ここでは毎日のニュースや番組の映像をデータ化し、検索や二次利用に役立てる資料作りをして保存しています。この作業でNHKアーカイブスを支えているのが、報道現場を経験したOBの皆さんですが、その一人に元報道カメラマンの左克二さんがいます。

 現在、左さんは、大阪・十三(じゅうそう)にある障害者リハビリ地域支援施設・NPO法人「すももクラブ」の写真教室で脳に障害のある方達の撮影をサポートしています。7年前にこの施設から「写真の撮り方を教えて」という依頼を受けたのがきっかけだったそうです。長年報道カメラマンとして動画の撮影経験は豊富でしたが、スチールカメラは全くの素人です。しかし、撮影のコツや技術なら何とか教えられると思い引き受けたそうです。

  写真教室は毎週月曜日。天気の良い日には、風景や建物、四季折々の花などを撮影するためロケに出かけます。

 左さんが指導を始めてわかったことは、脳障害の方の多くが利き腕の右手に後遺症がsidou残り、シャッターを右手で押すようにできている市販のカメラを左手だけで扱うことは大変だということでした。そこでカメラをタテに構え、シャッターのイチを下にすれば左手でもシャッターを押すことが比較的楽になるのではと考えました。撮影した写真はパソコンに取り込んで編集することでタテ、ヨコ、自由自在に作品を仕上げていきます。このような左さんの指導により、障害のある方の表現力は、始めたころに比べ、驚くほど上達しているということです。

 作品の中には障害者写真展に応募して「特選」に選ばれたり、一昨年、トルコで開かれた「世界脳卒中会議」では世界各国の脳障害の方々と一緒に応募した作品が会場に展示され、各国の医療関係者から高い評価を受けました。

sumomo 左さんによりますと、脳卒中や脳梗塞の後遺症で手や足に障害が出たり失語症に苦しむ方もいるそうです。脳の言語中枢に障害が出るため、それまで普通に使っていた言葉で会話することが困難になります。しかしながら、失語症で言葉が話せなくなっても、自己表現の手段はいろいろあると考える方が大勢いるそうです。写真もその一つです。言語治療士の女性スタッフが明るくサポートしてくれることもあり、障害者の皆さんに人気の教室になっているそうです。

 まだまだお元気な左さん、クラブに出かけていくのが楽しみだそうで、これからも障害のある方たちに撮影の指導を続けていくそうです。 (文・近畿旧友会・橋本昭勝)

左克二(ひだり かつじ)さん   昭和14年生。昭和34年入局。大阪報道部に配属。報道カメラマンとして京都、福井、大阪、函館、大阪で活躍し、平成11年9月退職。現トータルビジョン関西(株)取締役。

 

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