浦野 敏さん「がんになっても生き生きと自分らしく生きる」

(「ネットワークNHK」10月号から)

まさか自分ががん患者になろうとは……。
 浦野さんは定年退職後、デジサポ和歌山(地上デジタル移行時に受信相談対応のため全国に設けられた総務省の「テレビ受信者支援センター」)においてフルタイムで働くなか、平成23年に肺がんを発症、「扁平上皮がん」ステージ3の診断でした。
 〝頭が真っ白になった〟と当時を振り返ります。
 治療は抗がん剤と放射線の併用で4クール。4か月間入退院を繰り返しました。3クール辺りからボディーブローのようにジワジワと副作用が出てきて、食欲不、味覚障害、けん怠感、お酒好きなのにビールも飲めない日々が続きます。
 体力がある程度回復するのに、さらに4か月かかりました。
 そんな中、ふとしたきっかけで「がん患者サロン」に出会います。NPO法人「いきいき和歌山がんサポート」です。
初めて参加したサロン。もちろん初対面の人ばかりでしたが、がん患者とは思えない、とっても明るく和やかな雰囲気が印象的だったといいます。 「がん患者サロン」は和歌山医大、日赤和歌山をはじめ各病院に開設されているだけでなく、院外では県立図書館で一般市民の方も参加する「いきいきサロン」として、身近なテーマでの勉強会なども開催されています。浦野さんはサロンに参加し、自らもお世話係などをして、ボランティアとして活動されています。
 また、その活動に生かせるように、厚生労働省のガイドラインに基づく「ピアサポーター養成研修」も受講され、その後は各種の講演会等からも参加依頼があり、活動報告やパネルディスカッションなどピアサポーターとして、さまざまな場に出向くことも多くなりました。
 定年を機に習い始めたピアノを楽しみ、年に一度は海外旅行をしてリフレッシュしている浦野さん。「がんになっても生き生きと暮らせる和歌山をめざして」を合言葉に、明るく元気に日々を過ごしています。                                                                                                                                                          (文・近畿旧友会 川勝 重 基)

浦野 敏(うらのとし)さん  昭和20年(1945年)生まれ。昭和38年入局。堺ラジオ放送所、 和歌山営業部・技術部。和歌山の送信ネットワークと共に40年。平成17年退職